基調講演する米倉誠一郎氏

 今、日本はまやかしが横行している。その一つに、財務省は消費税を上げても消費が増えるというが、社会保障との一体改革や年金改革をせず消費税を上げると結局値上げになる。未来が不安だからみんな消費しない。

 まやかしに立ち向かわなければならないが、社会保障費が増える一方、教育投資は最低水準になっている。日本には人材という資源があるのに、投資をしなくなったらどうするのか。

 近代化にあたり明治政府は教育に力を入れた。教育投資が花開くまでには20~30年かかるが、日本が戦後復興を遂げ、国内総生産(GDP)世界第2位の国になったのは戦前の教育投資が効いたということ。

 現代はどうか。「質問はあるか」と問われても、日本人は周りが手を挙げなければ黙っている。まず手を挙げる教育。知識を与えるのではなく、学問やディベートの面白さを伝え、「質問し、発表する」ためのアウトプット型の教育が必要だ。

 日本のGDPは世界第3位にもかかわらず、自殺率は9位。良い国なのに、やり直しのきかない社会をつくっていると思う。こんなに豊かになったのだからいろんなことをやればいい。

 1947年に合計特殊出生率4・54だった日本のマーケットも小さくなり、2050年には人口が3千万人減る。東日本大震災を経験し、日本にとってキャパシティーをいっぱい持つことが良いことではないと分かった。電力ピークをコントロールするような原発でもリニアモーターカーでもないテクノロジーを世界が待っている。九州にはポテンシャルがある。成長ある世界に飛び出そう。

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