LPWAの漁業、建設業に活用する実証実験について語るNTTドコモの髙橋和彦氏=福岡市の八重洲博多ビル

 電波の利活用について学ぶセミナー(九州総合通信局、九州テレコム振興センター主催)が7日、福岡県福岡市で開かれた。国や企業、研究者ら5人が通信技術の最新動向を解説した。あらゆるモノがインターネットにつながる「IoT」で、暮らしや働き方が劇的に変わる可能性を示した。佐賀市に本店を置くシステム開発「オプティム」などとノリ養殖の実証実験に取り組んでいるNTTドコモの講演要旨を紹介する。

 新たな価値で、働く人と暮らす人をつないでいく-。私たちが取り組むIoT(モノのインターネット)のテーマだ。自動車や運輸、建設など幅広い分野で実証実験に取り組んでいる。

 IoT社会の本格的な到来を前に、低コストで消費電力が少なく、広いエリアをカバーできる通信インフラが求められるようになってきた。これが省電力広域無線通信技術「LPWA」で、我が社は用途に応じてLORaWAN、セルラーを提供している。ビルの監視、保守などを行っている。

 昨年3月から、この技術をノリ養殖に活用する実証実験を佐賀県沖の有明海で取り組んでいる。県、佐賀大学、漁協、オプティム、農林中金との共同事業だ。ICTブイを海に浮かべ、水温や塩分濃度などを測定している。海の状態を自宅でチェックでき、管理作業の負担を軽減している。小型無人機「ドローン」を飛ばし、赤潮発生の有無も調べている。品質、収量向上に向けてノウハウを蓄積している。

 秋田県の米作りでは田んぼにセンサーを差し、水管理の効率化を研究している。地滑り監視や省電力、宅配の効率化などの実証実験にも取り組んでいる。

 国が2020年に整備を目指す第五世代移動通信システム「5G」は、仕事や暮らしを劇的に変える可能性がある。これまでのシステムを発展させた「超高速」だけでなく、多数で同時に接続できる上、タイムラグがなくなる「超低遅延」の機能を持つからだ。

 例えば、遠隔地から建設現場を管理できるようになる。ドローンで測量し、無人の建機で工事を行っていく。我が社もこの5Gを使って車両の遠隔制御をする実証実験を大手建機メーカーと取り組んでいる。東京の本社から、神奈川県の工事現場にある油圧シャベルを遠隔操作し、作業することに成功した。5Gを活用するビジネスには1300社超が興味を持っていただいている。力を合わせて新たなビジネスを創出していきたい。

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