九州新幹線長崎ルートの整備方式について議論した与党検討委員会=東京・永田町の衆院第2議員会館

 九州新幹線長崎ルートの整備方式を議論している与党検討委員会は8日、佐賀県の費用負担を軽減するため、JR九州と長崎県の間で協議を始めることを決めた。全線フル規格とミニ新幹線で整備した場合の負担割合を取りまとめ次第、佐賀県に提案して意見を聴取する。追加負担に難色を示す佐賀県の納得を得られるような解決策を提示できるかどうかが焦点になる。

 新幹線の財源は、JRが支払う施設の貸付料収入を充てた残りの3分の2を国が、3分の1を沿線自治体が距離に応じて負担するルール。山本幸三委員長(衆院福岡10区)は「一応、ルールを踏まえながら佐賀県の負担を軽減できる知恵をどこまで出せるかだ」と報道陣に述べ、「要するに佐賀県がどう判断するかが決め手」と強調した。一方で県の追加負担ゼロは「現実的ではない」とも話した。

 今後について山本委員長は「まずJR九州と貸付料の交渉をし、それから長崎県がどれくらい協力できるか、それぞれ水面下で詰めていく」と説明した。7月末までに結論を出す方針に変わりはないとし、その前にミニ新幹線を運行している秋田新幹線を視察する考えを示した。

 前回の検討委に出席した佐賀県の山口祥義知事は全線フルで整備した場合、総事業費6千億円に対して県の負担額は歳出予算ベースで約2400億円に上り、長崎県の約1千億円を上回るとする独自の試算を提示した。これに対し、国土交通省は佐賀県の負担額だけJRの貸付料を考慮しておらず、「実際には相当程度軽減される」とする資料を提出した。具体的な金額は盛り込まなかった。

 山本委員長は「知事は議論の経過も踏まえず一方的に負担が大きすぎると話されたが、ミスリーディングだった」と話し、佐賀県が試算した長崎県との負担割合の比較は適当ではないとの見方を示した。

 国交省はこれまでミニ新幹線に関し、上下線ともレールを1本ずつ足してフル規格幅に対応する「複線三線軌」と、上下線の一方だけフル規格幅に敷き直す「単線並列」の2案を示していたが、この日の会合で上下線の一方だけレールを足して三線軌にする新しい方式を示した。「建設費も利便性も既出の案の中間になる」という。

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