佐賀県は山林の地滑り防止対策工事を巡り、所有者が分からない土地を取得するための議案を、開会中の6月定例県議会に提案している。

 工事は東松浦郡玄海町で予定し、広さ1126平方メートル。県は2016年度から用地買収の手続きを進めていたが、この一部の30・02平方メートルについては所有者が分からず、登記簿には名前だけが記載され、住所などの情報がなかった。

 県は名前を手がかりに、地域住民に聞いたり、近くの寺の過去帳を調べたりしたが、探し出すことができなかった。県土地対策課は「どこの誰なのか、いつの時代の人なのかも分からないので、相続人も探しようがなかった」と話す。

 このため県は、不在者財産管理人の選任を唐津家裁に申し立て、選ばれた弁護士と売買契約を結んだ。登記簿に記載するには、所有権に争いがないことを法的に確定させる必要があり、形式的に県と弁護士が唐津簡裁で和解の手続きをする。県が和解を申し立てるには県議会の議決が必要で、今議会に議案を提出した。

 同様の手続きは、佐賀市内の道路工事で13、14年度に1件ずつあった。県土地対策課は「特殊なケースではあるが、数年に1度はある。争いがあるわけではないので、必要な手続きを踏み、適切に処理したい」と話した。

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