「歯と口の健康週間(6月4~10日)」の今年の標語は、人生100年時代といわれる現代の長寿社会にふさわしく、「のばそうよ 健康寿命 歯みがきで」でした。

 さて、この口腔衛生事業の始まりは昭和3年までさかのぼりますが、当時の標語は、「六歳臼歯を大切に」、「強い身体(からだ)に丈夫な歯」、「強い歯は、母でつくって子で護れ」……など子どもの健やかな成長を願いつつ、どこか戦争に向かう時代の勇ましい言葉が使われていました。戦後は平和な時代を反映するように「からだも心も輝くよい歯」、「歯は健康のみえる窓」などやさしい言葉で、幅広い年齢層への働きかけとなり、平成になって以降は、「歯が大事 食べる楽しみいつまでも」、「長生きは 丈夫な歯から 歯ぐきから」と長寿を支える口腔衛生の大切さを呼びかける言葉へと変化してきました。

 言葉の変化といえば、最近のテレビCMに昭和時代の歌謡曲が替え歌として使われていることが多いように思います。替え歌に使われているのは、およそ明るく、元気が出てくる曲が多いようです。そのメロディーを耳にするだけで、元気を取り戻して明るい気持ちになりますが、歌詞が変わることで新鮮な気持ちが加わる不思議さを感じます。 歯が悪くなると気持ちが沈みます。歯医者さんへ行くとなればハードルが高いかもしれません。しかし意を決して治療に臨めば、歯の回復とともに気持ちも明るくなることでしょう。

 長寿時代を生きる先輩方の、歯や口のさまざまな実体験を、子へ、孫へ、そして未来の子孫へと伝え継がれるとすれば、それはいつまでも食べものをおいしく、また会話を楽しくという長生きの恩恵、笑顔のバトンタッチではないかと思います。口腔衛生週間は6月と11月の2回あります。ぜひイベントにも顔を出して頂き、次の世代に歯のエピソードをたくさん伝えて頂ければ幸いです。(すみ矯正歯科院長 隅康二)

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