織田病院のMBCの大型モニター(奥)。訪問予定の患者宅などが表示される=鹿島市

 鹿島市の社会医療法人「祐愛会織田病院」が、高齢患者を対象に退院後2週間程度、切れ目なく在宅ケアを受けられる体制をつくった。看護師やヘルパーらが患者宅をこまめに訪れて症状を安定させる取り組みで、安心して自宅に戻れる環境整備を目指している。

 病院を拠点に周辺地域を「病棟」、患者宅を「病床」に見立てた仕組みで、「メディカルベースキャンプ(MBC)」と名付けた。

 MBCには看護師やケアマネジャーら約30人を配置。大型モニターの地図に患者宅やスタッフの車両の位置が表示され、病棟のナースコールのように患者から連絡があった場合、近くの車両が向かって対応する。

 対象地域は病院から半径2キロの約4000世帯。75歳以上の高齢者の場合、医療保険や介護保険を使い、1割負担で利用できるという。

 織田病院は病床数が111床と比較的少なく、平均在院日数が12日前後の急性期に特化している。一方で、認知症や要介護のリスクが高まる85歳以上の新規入院は増加傾向にあり、2004年の278人から、14年は約2.5倍の766人に増えた。織田正道理事長は「高齢者が安心して自宅に帰れる仕組みづくりが課題だった」と話す。

 在宅ケアを支える機器の開発に向けて9月からは、IT企業「オプティム」と共同で実証実験をしている。病院から患者宅のタブレット端末を遠隔操作して様子を確認したり、腕時計型端末(スマートウオッチ)にナースコールや心拍数計測の機能を持たせたりしている。患者の転倒など異変を検知するカメラの実験も近く始め、半年後をめどに実用化への道筋を付ける。

 織田理事長は「住み慣れた自宅で過ごすには何があっても対応できることが大切。今後の地域医療のモデルになれば」と話す。

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