初公開される西郷隆盛像の制作過程の写真(東京芸大大学美術館所蔵)

 東京・上野の東京芸大大学美術館で26日から始まるNHK大河ドラマ特別展「西郷どん」で、上野公園にある西郷隆盛像の制作過程の写真が初公開される。「顔が彫られておらず、肖像写真を残さなかった西郷の顔を表現するのに、苦労した様子がうかがわれる」と同美術館の黒川広子教授(近代工芸史)は話している。

 西郷像は東京美術学校(東京芸大の前身)の教授だった高村光雲が率いるチームが制作。肖像写真がないため、隆盛の実弟従道の顔写真や隆盛が着用した陸軍大将の軍服、肖像画などを参考にした。

 初公開の写真は、銅像の基にする木像を制作する過程で、犬を連れた和服姿の西郷隆盛像を正面から撮影。西郷と犬の顔がまだ彫られていなかった。左上部に、紙幣や郵便切手の図案制作などに携わったイタリア人銅版画家のキヨッソーネが描いた西郷の顔の絵もはめ込まれていた。

 黒川教授は「写真の使用目的は不明だが、西郷をよく知る人に印象を語ってもらうため、あるいは、制作の進捗状況について資金を提供した関係者に報告するために、使ったのではないか」と推測する。

 写真裏の台紙に「光陽堂写真館 滝川慶雲」とあることから当時、東京・日本橋にあった写真館が撮影したとみられる。

 写真は6月17日まで公開される。

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