血圧が高い人は、もちろんのこと、血圧が高くない人も塩分は控えた方がよいようです。世界保健機関(WHO)では1日の食塩摂取量を5グラム以下にすることで、健康で長生きができると言っています。この量は日本人の摂取量の約2分の1です。

 薄い味付けにすると、おいしくなくて食が進まないと、よく患者さんから言われます。そんな人には、「身体に入る塩分を減らせばいいので、味付けは薄くしなくてもよい」と言っています。味噌汁であれば、味付けはそのままにして、汁を飲まないようにすれば、身体に入る塩分は減らせます。塩分を半分にした味噌汁でも2杯飲めば、身体に入る塩分は同じなわけです。ラーメンやうどんも同じ考え方でよいです。残念ながらソースやケチャップは、薄味にできないので、つける量を少量にする、という工夫が必要です。

 大昔、海の中で誕生した生物は、陸に上がる時に、身体の中に、海水と同じような環境を維持して血圧を保つようにしました。すなわち、我々には塩分は必要だったわけです。しかし、進化の過程で、我々は身体の中に塩分を蓄える仕組みを持つことになりました。食物の素材にも塩分は含まれています。だから、塩やしょうゆなどで、塩分をさらに摂取する必要は医学的にはありません。

 高血圧の人で、職業柄、真夏によく汗をかく人がおられます。塩分を控えるのか、摂取してもらうのか、悩むところです。基本的には、水分をしっかり補っていれば塩分の補充は必要ないようですが、窯焚き職人の方や、炎天下の土木工事の方は例外と考えて、塩分も補うことをお勧めします。(佐賀大学医学部附属病院 卒後臨床研修センター専任副センター長 江村正)

このエントリーをはてなブックマークに追加