民間放送全国大会のシンポジウム=東京都港区

ラジコのホームページからパソコンでも聴ける

 ■聴き逃しにSNS共有も 

 パソコンやスマートフォンでラジオが楽しめる「radiko(ラジコ)」が、聴き逃した番組を無料で聴ける「タイムフリー聴取機能」の実証実験をしている。SNSを使って好きな番組を友人らとシェアできる機能もあり、スマホ全盛の時代を逆手に取って“ラジオの復権”を狙う。

 ■自由に

 ラジコは、今居るエリア内の番組をインターネット経由で聴けるサービスで、約1200万人の月間利用者がいる。有料会員(月額378円)に登録すれば全国の番組が聴取可能になる。

 10月11日からスタートしたタイムフリーは、放送後1週間に限り、いつでも聴き直すことが可能で、一時停止も自由。さらに、誰かに知らせたい部分や番組をツイッターなどで伝えて共有できる「シェアラジオ」のサービスで、番組の口コミを拡散させ、リスナーを増やすもくろみだ。

 「ネット世代の人たちのライフスタイルに合った形で番組に触れてもらえる環境が整ったことは非常に大きい。ラジオ新時代に入ったと感じている」と文化放送の三木明博社長。

 ■課題

 ラジコなどによると、開始1カ月後の時点で全ラジコユーザーの15%前後がタイムフリーを利用。アプリのダウンロード数は2~3倍に伸び、有料会員も1万5千人増えて約33万人になった。

 ただ、現時点では利用者数やサーバーの負荷など、本格運用に向けての課題を把握するための期間。また、権利上の理由でスポーツ中継や特定のタレントの番組など一部の番組は聴くことができず、1番組につき再生開始から3時間までという時間制限がある。

 民放連ラジオ委員会の委員長を務めるTBSラジオの入江清彦社長は「権利者の理解の下で始まったサービスなので、いろいろなデータを検証して、本サービスに移行したい」と話した。

 ■「質」

 11月9日開催の民間放送全国大会では、「SNS時代のラジオの可能性」をテーマにシンポジウムが開かれた。

 パネリストの一人、IT関連企業の杉本哲哉社長は「ただでスマホで聴けるとか、簡便にシェアできるからといって全てが打開できるとは思えない」と指摘。「何が何でも聴きたい番組をたくさん作ることが全ての解決策。質だけでなく、先進的な取り組みをしている、面白そうだという機運をつくることも大事」と提案した。

 ネットの口コミは、地方局の番組へ、全国からリスナーを呼び込むチャンスにもなる。タレントの真鍋かをりは「ローカルにしか出せないものを突き詰めた方が、地元以外の人にとっても面白いと思う」と話していた。【共同】

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