開門に代わって創設する基金の額を100億円とした国の最終案。これまで「司法任せ」との批判を浴びていた国が、漁業団体などに意見を聞いて作り上げており、国なりの本気度はうかがえるが、現状の基金案での和解成立は厳しいと言わざるを得ない。

 開門の勝訴判決がある漁業者側は、有明海再生に向けた抜本的な対策を求めている。国は今回の最終案を「再生の到達点があって必要な事業を積み上げたものではない」とし、現実的に漁業者が望む事業や新技術への期待をメニューに盛り込んだと説明している。基金案提示から半年が経過しても、両者の認識の溝は埋まらないままだ。

 有明海再生に関し、国は2005~14年の10年間で、海底耕耘(こううん)や覆砂、赤潮対策の調査など地元負担も合わせて430億円以上をつぎ込んできた。それでも効果は限定的で、100億円の事業でも漁業環境の改善は不透明だ。

 漁業者側は「有明海再生の可能性がある対策で、唯一実施していないのは開門」と強調する。国も、判決ではなく和解協議の継続を望み、農相は「新しい提案」があれば努力する意向を示している。開門を視野に入れた協議に移る時期にきている。(林大介)

=諫早基金最終案=

このエントリーをはてなブックマークに追加