月ごとにイメージした茶わんを並べ、四季の移ろいを表現した唐津焼作家の安永頼山さん=京都市の野村美術館

■会社員経て作陶15年の節目

 唐津市北波多大杉に「鎮西窯」を構える唐津焼作家の安永頼山さん(46)が、京都市の野村美術館で茶陶展を開いている。「茶碗(ちゃわん)十二ケ月」と題し、各月をイメージした唐津焼の茶わんを2作品ずつ展示。器で季節の移ろいを表現する意欲的な試みに挑戦している。

 1月は、新年のすがすがしさやめでたさを表現する白や赤、5月は新緑をイメージしたやわらかな緑色、秋になると渋く落ち着いた色になり、12月は冬枯れの景色を鉄釉の黒唐津で表した。「唐津は土の種類が豊富。表現の可能性を試すには面白いと思った」。色合いだけでなく、茶わんの形も暖かい時期は広がり、寒くなるとすぼまるよう季節に合わせて変化を加えた。

 島根県出身。会社員時代に東京へ出張した際、唐津焼の田中佐次郎さんの作品を見て「古い物と比べても遜色のない雰囲気のある作品を作る人がいる」と感銘を受けた。仕事を辞め、田中さんや藤ノ木土平さんに師事して2008年に窯を開いた。同美術館での個展は道具商の紹介がないと開けないといい、唐津では故西岡小十氏、岡本作礼氏に次いで3人目となる。

 作陶の世界に飛び込み、今年で15年の節目を迎えた。今回の個展では朝鮮唐津や絵唐津など一般的に知られる唐津焼とは違うイメージの作品も取り入れた。「唐津でも新しいものを作っているんだというメッセージ性も込めた。目の肥えた方が多い京都という場所でどういう反応があるか楽しみ」と話す。4日まで。

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