認知症の高齢者への声の掛け方を紹介した寸劇=佐賀市の北川副公民館

登録番号を印刷したラベルは蓄光機能が加えてあり、夜も目立つ。つえや靴に貼り付ける=佐賀市の北川副公民館

 認知症で行方不明になった高齢者を地域ぐるみで早期に発見して保護するため、佐賀市の北川副まちづくり協議会が25日、徘徊(はいかい)の恐れがある人の事前登録制度を始めた。家族らの申告で情報を登録し、行方不明になった場合に電子メールで住民らに知らせて捜索する。佐賀市では初の試み。

 協議会は徘徊で悩む家族の相談を受け、1年前から特定の地域に限って民生委員らが情報を共有していた。今回、その仕組みを充実させた上で、地域や組織を拡大させることにした。

 取り組みの名称は「どけいくかんた!」ネットワーク事業で、住民同士が「どこへ行くの?」と気軽に声を掛け合うイメージで名付けた。協議会と、おたっしゃ本舗城南(地域包括支援センター)が中心になり、警察や自治会、民生委員・児童委員などが連携して、行方不明者を捜す。

 認知症の場合、名前や住所を答えられないケースもあり、事前に身長や体形などの特徴、立ち寄りそうな場所などを協議会に登録する。当事者の靴やつえに登録番号を印刷したラベルを貼り、迅速な身元の特定につなげる。住民にも「サポーター」として登録してもらい、捜索の手がかりになる情報を電子メールや無料通信アプリLINE(ライン)で一斉に通知する。

 県警の暫定集計によると、県内での昨年1年間の認知症の行方不明者は60人で、1人の死亡を確認した。認知症と特定されていない行方不明者の届け出は538人あり、65歳以上が85人で15・8%を占めている。

 北川副公民館での発足式には約80人が参加し、認知症の人を驚かせない声の掛け方などを寸劇で学んだ。協議会の福田忠利会長(76)は「効果は未知数だが、私たちが一歩を踏み出したことで、後に続く人たちもいるだろう。大きなうねりになってほしい」と話す。

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