花瓶の出来映えについ語る井上萬二さん(左)と深川一太社長(右)=有田町のチャイナ・オン・ザ・パーク

 明治維新150年にちなみ、明治期の有田焼の優れた技法を集めた大作の花瓶が完成した。有田町の深川製磁(深川一太社長)が、白磁の人間国宝(重要無形文化財保持者)井上萬二さん(89)の協力を得て、1年かけて制作した。井上さんは「最高の出来。アジサイの色がよく出ている。先人たちの技と心を受け継ぎ、現代の陶芸をつくってほしい」と焼き物への思いに触れながら出来栄えを紹介した。

 花瓶「染錦(そめにしき)紫陽花(あじさい)瑠璃金雲地文様(るりきんくもじもんよう)」は、高さ54・5センチ、胴部の直径40センチ。井上さんがろくろで胴と首部分を成形して素焼きし、深川製磁の職人が絵付けなどを施した。

 瑠璃釉の下地に、手に届かないほどの最上の品に用いたという「雲地文様」を金彩で描いた。白や淡いピンクの花びらが印象的なアジサイは、泥しょうで立体感を出し、下絵で色を出す釉下彩の技法を用いた。細かな雲地文様は、伝統工芸士の小杉優さん(66)が丸1カ月専念して施した。

 深川社長(70)は「明治のものを作るのがこんなに手ごわいとは思わなかった。奇跡」と感慨深げに話した。活用方法は今後検討する。

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