「川を愛する週間」に合わせて、クリークの雑草を刈り取る住民たち=佐賀市天祐2丁目

 佐賀市の「川を愛する週間」に合わせた清掃奉仕や環境美化活動が今月、市内各地で実施されている。「清流をもう一度」を合言葉に1980年に始まった市民運動で、縦横に走るクリーク(水路)の浄化に貢献してきたが、近年は担い手不足が目立ってきた。人口減や高齢化が影響しているとみられ、活動を計画してきた市水対策市民会議は運動を維持する手だてを検討する。

 川を愛する週間は、深刻だったクリークの汚濁を市民の力で浄化する狙いで始まった。自治会や企業・団体、学校などでつくる市民会議が実施計画をまとめてきた。名称は「週間」だが実際は「月間」で、今年は春の活動を4月1日から29日まで、秋を9月30日から10月28日までと決めている。

 春と秋、それぞれ5万人規模を動員する人海戦術の効果は大きく、春と秋を合わせて約2700トン分のごみを回収している。

 スタート当初は生活排水が主な汚染の原因だったが、下水道の普及も相まって改善していった。79~80年の水質調査では「臭いを感じる」地点が目立っていたが、現在は清流を好む「ヤマメやイワナが生息できる」レベルまで回復した。

 川沿いに粗大ごみが捨てられる被害に頭を悩ませていた佐賀市天祐2丁目東自治会は、花壇も整え、不法投棄を一掃したという。自治会長の岩沢巌さん(76)は「うちは住民が積極的だが、だいぶ高齢化した。今では75歳以上の世帯は免除している」と語る。

 参加者の確保は全市的な課題だ。2005年の市町村合併後、ピークの12年には春秋合わせて約10万3千人が参加した。17年は秋の大雨や台風の影響もあって人数が伸び悩み、全体で8万5千人弱にとどまった。

 市民会議がアンケート調査を実施した14年時点で、参加者の6割を50代以上が占め、20、30代は15%だった。「主体になってきた年代が高齢化している」「若者の参加が少ない」などと、先行きを心配する声が寄せられていた。

 事務局の市河川砂防課は「時代とともに、川と市民の距離感が変わってきたのかもしれない。まずは地域の声をしっかり掘り下げていきたい」と話す。春の活動を終えた5月にも委員会を開き、課題の洗い出しや今後の方針を検討する。

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