厚生労働省は30日、70歳以上が支払う医療費の限度額引き上げや、75歳以上の保険料アップなど、2017年度から実施を目指す医療保険制度の見直し案を社会保障審議会の部会に示した。中間所得以上の高齢者はおおむね負担が増えそうだ。今後、与党と最終調整する。

 医療費の自己負担に月ごとの限度額を設ける「高額療養費制度」では、70歳以上で、例えば「一般所得」に区分される年収370万円未満の住民税課税世帯の場合、限度額は現在の月4万4400円が、17年8月には月5万7600円になる。

 高齢者は医療機関にかかることが多いため設けている外来医療費の特例でも、1人当たりの限度額は月1万2千円から約2倍の2万4600円に上がる。

 年収370万円以上の「現役並み所得」の人についても、外来の限度額を引き上げ、18年8月には特例を廃止。入院を含めた世帯全体の限度額も69歳以下と同水準にする。

 こうした見直しによって計1407万人が影響を受ける見通し。

 75歳以上が加入する後期高齢者医療制度では、会社員や公務員の扶養家族だった人のほか、所得が比較的低い人を含め計329万人を対象に、保険料を安くしている特例軽減を一部廃止。17年4月と18年4月の2回に分けて引き上げる。

 このほか、患者が長期入院する医療療養病床で65歳以上の患者を対象に、光熱水費を値上げする。現在は医療の必要度が比較的低い人に限って1日320円を徴収しているが、17年10月からは医療の必要度が高い人にも対象を広げ、18年4月には370円にそろえる。【共同】

 ■高額療養費制度 医療費の自己負担割合は原則1~3割だが、高額な治療を受けた場合に負担が過重にならないよう一定額を超えた部分を公的保険から給付する仕組み。限度額は所得によって異なる。長期療養の負担をより緩和するため、直近12カ月間で制度を3回利用すると、4回目からはさらに限度額が下がる。高齢者は持病などで医療機関にかかりやすいため、現役世代よりも限度額を低く抑えるなどの優遇措置がある。給付費は増えており、2013年度に全体で約2兆2000億円。

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