鹿島市長選で3選を決め、花束を受け取った樋口久俊さん=22日午後10時14分、鹿島市の高津原コミュニティーセンターかんらん

 22日に投開票された鹿島市長選は、現職の樋口久俊さん(72)=音成=が新人を振り切り、「薄氷の勝利」で3度目の当選を決めた。2期8年の実績を強調し、有権者に信任された形だが、刷新を訴えた39歳年下の対立候補に押された。樋口さんは「まだ必要としてもらえた。頂いた票数をしっかりと胸にとめたい」と述べ、今後4年間のかじ取りへの決意を新たにした。

 「よしっ」「よかった」。午後10時すぎ、当選の一報が鹿島市高津原の集会所に届くと、詰め掛けた約150人の支持者から歓声が沸いた。妻の愛子さん(72)と一緒に拍手で迎えられた樋口さんは安あん堵どの笑みを浮かべて感謝の言葉を述べ、支持者らと握手を交わした。

 新人候補は33歳。親子ほどの年齢のギャップがあり、高齢批判を意識せざるを得ない戦いだった。それでも「年齢が判断の基準になってはいけない」と、前哨戦から一貫して、手掛けてきた事業を愚直に説明した。JR肥前鹿島駅の改修や駅伝合宿誘致などの成果を、各地区での「語ろう会」や市政報告会で伝えた。

 選挙戦では、整備方針を巡って揺れる新幹線問題を引き合いに「どう転ぼうが、鹿島は生き残っていかなければならない。立ち止まる時間はない」と、自ら示してきた市政の方向性の継続を訴えた。

 後援会を基盤に、約140の企業・団体の推薦を取り付けるなど、組織力では優勢だった。現職が敗れた伊万里市長選を目の当たりにして危機感を漏らす関係者もいたが、農水官僚時代からの幅広い人脈も強調して安定感を印象づけ、新人に競り勝った。

 樋口さんは「これから鹿島は困難に直面していく。市民の結束力で対抗するため、先頭で走り抜く覚悟だ」と述べ、表情を引き締めた。

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