鹿島市長選で落選し、硬い表情の中村一尭さん(右)=22日午後10時12分、鹿島市古枝の事務所

 刷新の訴えはあと一歩、届かなかった。22日に投開票された鹿島市長選で、前市議で新人の中村一尭さん(33)=納富分=は、市政トップの若返りを期待する票を集めて善戦したものの、組織力を誇る現職の厚い壁に阻まれた。「私の努力が足りなかった」と悔しさをにじませた。

 鹿島市の停滞感を憂い、「未来を希望あるものに」という一点で立候補を決意した。市議2期目の任期途中で30代。現職に対抗するには「若すぎる」と、周囲は反対した。それでも「今やるしかない」と今年1月、出馬表明に踏み切った。

 現職に比べて知名度が乏しいだけに、前哨戦から若さと行動力を前面に出して動いた。一定の組織票を持つ団体が次々と現職の推薦を決めていく中で、企業回りはできず、集会を開くこともできなかった。

 それでも、市議時代に地域を回って築いた人脈を頼りに、老人会や地区の会合に顔を出した。時には自転車で市民のもとを訪ねて課題を聞いて回り、距離感を縮めた。選挙戦では連日、街頭演説で弁舌を振るい、日ごとに手を振り返してくれる人が増えて手応えを感じていたが、現職の壁を突き破るには至らなかった。

 22日午後10時すぎ、事務所に姿を見せた中村さんは「私の力不足。鹿島のまちづくりに対する思いを伝え切れなかった」と振り返り、今後については「まだ白紙の状態です」と述べた。支持者らは涙を浮かべ、拍手で健闘をたたえた。

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