指定席開放の取りやめと、自由席車両増を告知するチラシ=佐賀市のJR佐賀駅

 JR九州は3月のダイヤ改正で、長崎線の佐賀-博多駅間で実施していた特急の指定席開放を取りやめた。2001年に自由席の混雑対策として始め、福岡市内に向かう利用者に重宝されてきたが、割安なインターネット予約が浸透したことなどを理由に廃止を決めた。一部の特急で自由席の車両を増やしたが、減便にとどまらないサービス低下に不満の声も上がっている。

 佐賀-博多間の特急は博多行きの上りに限り、空いた指定席に自由席特急券だけの乗客も座ることができた。長崎線では諫早-長崎間との2区間で、ダイヤ改正に合わせて指定席開放を取りやめた。数年前には小倉-博多間でも廃止しており、JR九州内で開放区間がなくなったことになる。

 JRは廃止に併せ、混雑する平日の通勤時間帯で自由席車両を増やした。佐賀発は午前7時台と8時台の2本を3両から4両に、午後5時台の1本を3・5両分から4両にした。広報部は「今のところ、混雑による問題は起きていない」と運行状況を分析する。

 だが、利用者の評価は厳しい。月に1回程度、出張で佐賀を訪れるという大阪府の会社員(70)は「指定席が空いているのなら開放を続けていいのでは」。福岡市の主婦(64)は「本数の多さを含め、気軽に利用できるのがこの区間の魅力。今後は自由席に座れないことがあるかも」と開放廃止に不満顔だった。

 一方で、指定席開放について「高い料金を払っているのに、自由席料金で座れるのは不公平ではないか」との意見も寄せられていたという。広報部は自由席料金で指定席に座れる割安なネット予約が浸透したことに加え、「こうした意見も一定程度考慮して廃止を決めた」と話す。

 JRは今回のダイヤ改正で、佐賀県内を含む新幹線と在来線の全22路線で発足以来最大の減便を行った。現在、改正後の利用状況を調査中で、指定席開放の取りやめに関しても「混雑状況によっては、自由席を増やすなどの対応を取る可能性がある」と説明している。

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