定年退職者や継続雇用を終えた「団塊の世代」などが持つ豊富な知恵を中小企業の経営に活用してもらおうと、各地の信用金庫が仲介役となって人材をマッチングする「交流会」を開催する動きが全国に広がっている。2009年に開始して以降、累計で約400社がOB人材を採用したといい、企業の競争力強化に一役買っている。

 交流会は、信金側が中小企業から求める人材像を聞き、それに合うOBとの面談を設定。双方が合意すれば経営への助言を開始する。初めの3日間は「お試し期間」と位置付けられ、国の補助金から報酬が支払われる。

 その後に企業が必要だと判断すれば、引き続き顧問などとして契約することができるという。

 福岡、佐賀、長崎3県の13信金が呼び掛け11月24~25日に福岡市で開かれた交流会には、3県から55社と、OB65人が参加。大手食品メーカーOBの三大寺秀豊さん(60)は「ノウハウを伝えることが、定年後の生きがいになる。埋もれた人材の掘り起こしにもつながる」と意義を強調した。

 募集する側のプラスチック加工会社の社長(63)も「高い技術を持つ人材が多く、驚いた。大企業を出た『高根の花』に出会える機会になった」と満足した様子だった。

 中小企業は国際化などの課題を抱えるが、有能な人材を確保できない悩みを抱える企業も多いという。全国で交流会を手掛ける保田邦雄さん(71)は「公的機関による制度もあるが、企業のニーズを細かく把握しきれないためミスマッチが多い」とし、地域の中小企業の情報に精通している信金のネットワークを活用する利点を強調した。【共同】

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