与党検討委員会で新幹線長崎ルートの整備方式に関して意見を述べたJR九州の青柳俊彦社長(中央)=東京・永田町の衆院第2議員会館

 九州新幹線長崎ルートの整備方式を巡り、JR九州の青柳俊彦社長は18日、与党プロジェクトチームの検討委員会に出席し、初めて「早期に全線フル規格で開業できることを望む」と表明した。会合では複数の委員から「営業主体の正式な要望で、重く受け止める」という意見が出た。

 青柳氏は、国土交通省が3月30日にまとめた試算を踏まえ、選択肢に上がっているミニ新幹線では工事期間や開業後に在来線の所要時間が増えて便数も減る問題などを列挙し、「事業者、地域のいずれにとっても解決すべき課題がある」と否定的な見解を示した。

 開発が難航しているフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)に関しては、「運営は困難」と従来の見解を繰り返した。

 長崎ルートは新幹線と在来線特急を対面で乗り換える「リレー方式」で2022年度に暫定開業することが決まっているが、青柳氏はFGT量産による本格開業までの「一時的なものとして同意した」と強調した。リレー方式が長期化、固定化すれば収支採算性が成り立たず、「経営上大きな問題になる」とした。

 その上で全線フルは、営業主体として大きな課題がなく、西九州地域全体の発展につながると主張した。

 会合終了後、検討委の山本幸三委員長(自民・衆院福岡10区)は「JR九州の初めての正式な意向を重く受け止める」としつつも、「結論ではない。財源の話もある。佐賀、長崎両県の意見も聞かねばならない」と述べた。今後、両県知事からも意見聴取し、新年度予算概算要求前の7月中をめどに結論を出す方針。

 会合では委員から「まずは在来線を活用するミニ新幹線を検証し、問題点を明らかにしないと理解が進まないのでは」「佐賀県民の間ではリレー方式のままでいいという声が大勢であり、佐賀の負担をどうするかがポイントになる」という意見が出た。

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