国営諫早湾干拓事業(長崎県)を巡り、漁業者が潮受け堤防の排水門の開門を求めている訴訟の口頭弁論が16日、長崎地裁(武田瑞佳裁判長)であった。漁業者側は、開門幅が小さい方法での開門であれば農業被害は防止できるとして「国が開門を否定する理由がないのは明らか」と訴えた。

 漁業者側の弁護士が意見陳述し、「(別訴訟で)国自身が開門幅の小さい開門であれば事前対策工事で被害を防止できると主張していた。本件で被害が出るとの主張を維持するのは極めて不当」と強調した。干拓地の農地で悪質な土壌や排水不良の問題、野鳥の食害などの実態が明らかになっていることも指摘した。

 国側は福岡高裁で開門関連訴訟の和解協議が継続している状況を説明し、和解勧告で示された開門しないことを前提に、漁業振興の基金案で問題解決を図る考えを改めて示した。漁業者側の馬奈木昭雄弁護団長は「基金案は漁業団体が合意すれば実施可能なはずで、われわれがのむかどうかは全く関係のない話だ」と反論した。

このエントリーをはてなブックマークに追加