現職の松本茂幸氏(67)=3期、本掘=が、元プロレスラーで新人の大仁田厚氏(60)=横武=を977票差で破り、4選を果たした神埼市長選。3期12年の実績が一定の評価を得た形だが、「刷新」を訴えた新人候補が約8千票を集め、現市政への批判も顕在化する結果になった。

 市長選としては異例の「自公対民進」という政党色の濃い戦いになった。自民党関係者から「ここまでやるのか」という声が漏れるほど全面的に松本氏を支援した。「代理戦争」(留守茂幸自民党県連会長)と位置づけ、決起集会では会場を満席にするなど、自公の推薦を受けた現職は圧倒的な組織戦を展開した。

 一方の大仁田陣営は、民進党県連代表の原口一博衆院議員の人脈を足がかりに後援会をつくり、初めて選挙運動に関わる市役所OBも加わった。抜群の知名度がある大仁田氏の街頭演説を増やし、支援者が草の根で支援の輪を広げた。ただ、「終盤になっても街演の反応がいまひとつだった」(陣営関係者)。現職の組織力を突き崩すほどのうねりはつくれなかった。

 自民の地方議員の一人は「昨秋の衆院選で自民が落とした神埼市という意識はある。今回の大仁田氏の支援者の中には、次の衆院選では原口さんの新しい支援者になる人もいるだろう。さまざまな思惑が絡んだ市長選だった」と振り返る。

 有権者からは「市政に政党が関係あるのか」と冷めた声も聞かれた。合併後最低の65・8%という投票率は、選挙戦との距離感も映しているのかもしれない。

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