先輩役の男性に合わせて「素読」を体験する児童ら=佐賀市の旧古賀家

専用のボードに弘道館の映像が映し出されるマップ=佐賀市の旧古賀家

 大隈重信や江藤新平など近代日本の形成に貢献した偉人を数多く輩出した佐賀藩の藩校「弘道館」の成り立ちや、当時の学びを追体験できる「リアル弘道館」が16日、佐賀市柳町の旧古賀家にオープンした。開幕から1カ月の節目に「肥前さが幕末維新博覧会」の施設が全てそろい、来年1月までのロングランを支える体制が整った。

 弘道館は1781年に佐賀藩第8代藩主鍋島治茂が創設し、10代藩主直正が拡充した。全ての藩士の子弟が儒学などを学び、成績優秀であれば身分にかかわらず登用。鉄製大砲の鋳造成功など、佐賀藩が国内の他藩に先駆けて近代的な科学技術力を持つ原動力となった。

 リアル弘道館のオープン初日には、近くの循誘小の6年生76人が訪れた。子どもたちは音声ガイドで弘道館の仕組みや当時の様子を学んだ。先輩役のスタッフから直接教わったり、デジタル判定機器を使ったりして「論語」や「孟子」などを声に出して読む「素読」も体験した。

 初めて素読に挑戦したという緒方春介君(11)は「大きな声を出せたかなどで、判定が変わって楽しかった」。池田小夏さん(11)は当時の学びやの様子を知り、「いっぱい覚えることがあって大変そう」と、勉学に励んだ郷土の先人たちに刺激を受けた様子だった。

 展示アドバイザーを務めた東京大学総合研究博物館の洪恒夫特任教授は「素読など当時の教育の一端に触れることで、実感を持って弘道館の目的や意義を知ってもらい、子どもたちの意志が芽生えるきっかけになれば」と話す。

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