熊本地震からの復興の現状を話す日置和彦村長=熊本県西原村役場

 2年前の熊本地震で、災害関連死を含めて8人が亡くなった熊本県西原村。支援の担当県となった佐賀県内の自治体から多くの職員が派遣され、7月には住まいの自力再建が困難な被災者を対象とした災害公営住宅が完成する。日置和彦村長(70)に、復興の現状と課題を聞いた。

 

 -地震から2年がたち、15日には2度目となる村の追悼式が開かれた。

 全家屋の半数を超える約1370戸が全半壊した。現在は公共土木、農業土木の工事発注を終え、宅地の復旧が本格化する。90億円をかけ、2019年度に終える計画だ。村の復興計画では本年度までを短期の復旧段階、20年度までを中期の復興段階としている。

 仮設住宅に入居した311世帯のうち、70世帯が退去した。仮設への入居は2年が期限だったが、条件付きで1年延長された。村は災害公営住宅57戸を整備している。

 -復興は順調か。

 被害は甚大であり、見通しがきく状況になったわけではない。道路など公共的なものは8割が終わったが、金額的には宅地復旧が大きなウエートを占めている。復興の度合いは4~5割だろうか。

 ただ、他の自治体よりは1年程度早く進んでいる。早期に現地測量、設計を発注したことが大きい。

 -住まいの再建が進むにつれ、仮設住宅で暮らす住民が減ってきている。

 災害公営住宅に移るため、来年の今頃には、仮設で暮らすのは当初の3分の1以下の100世帯近くになっているのではないか。両隣が空室になるケースも考えられ、コミニュティー維持が新たな課題になる。仮設内で部屋を移動してもらい、新たな隣近所をつくることを考えている。

 -被災自治体での職員不足が問題になる中、佐賀県などから応援職員を受け入れている。

 村の職員数は約80人で、特に技術職の少なさは深刻。現在、技術職を中心に4県の自治体から10人の応援職員を受け入れている。

 復興に手が付けられなかった地震直後から、佐賀県から多くの職員が来ていただいて大変助かった。昨年末に佐賀県内の全ての自治体を回ってお礼をし、今後の支援もお願いした。

 -目指す復興の方向性は。

 交通の利便性などから地震前は人口が7千人を超えていた。地震後には約300人減ったものの、新たに転入する人も出てきた。

 村内はもともとつながりが強く、助け合う精神がある。地域コミュニティーは維持できると考えている。集落再生も新たな道路を作るなど、住民の要望を受けて計画を決めている。

 復興は夢だったが、今では確かな目標になってきた。あと2~3年が踏ん張りどころだ。一歩先を行く施策を立て、職員にもその実行を求めたい。

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