落選が決まり支援者にあいさつをする現職の塚部芳和さん(左から2人目)=15日午後10時50分ごろ、伊万里市立花町の事務所

 「塚部市政の総仕上げをさせてほしい」。その訴えは市民に届かなかった。5選を目指した現職の塚部芳和さん(68)は多選批判をはね返せず、刷新を掲げる新人に接戦の末に敗れた。

 午後10時半、事務所に落選の一報が入ると、勝利を信じていた人々はぼうぜんとなった。塚部さんは口を固く結び無念の表情で「敗因はよく分からないが、民意なので厳粛に受け止める」と頭を下げた。

 道路や工業用地などインフラ整備が進み、5期目で総仕上げをするつもりだった。多選批判に対しては実績と経験を強調。教育や福祉を軽視しているとの指摘には、子育てや教育環境の充実を「5期目の一丁目一番地にする」とアピールして批判をかわそうとした。

 しかし、市民に広がる変革を求める声を押し戻すことはできず、運動の軸となる後援会組織も若返りを図れずに苦しんだ。玄海原発の再稼働に一貫して反対する姿勢に、経済界や自民支持層の中には距離を置く人がいた。

 自宅に構えた事務所で開票を見守った新人の井関新さん(62)は「伊万里市を根本から変えたかったが、自分の思いを伝えきれなかった」と話し、「もっと票を集めることができると思っていたが甘かった」と肩を落とした。

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