国営諫早湾干拓事業の、堤防排水門の開門を求める市民らが開いた集会で講演する堀良一弁護士(中央)=14日午後、長崎県諫早市

集会で、諫早湾の干潟の歌を合唱する参加者=長崎県諫早市の諫早市民センター

 国営諫早湾干拓事業(長崎県)で「ギロチン」と呼ばれた潮受け堤防の閉め切りから21年となる14日、開門を訴える市民らの集会「干潟を守る日」が同県諫早市で開かれた。司法では国の方針通りに開門しない流れになる中、約150人が集まって漁業と干拓地の農業の振興を両立するために運動をもり立てることを誓った。

 開門を求める漁業者側弁護団の堀良一事務局長が講演した。福岡高裁の和解協議で、開門しない前提の和解勧告を弁護団が拒否したのに協議が続行された状況を説明し、「我々を押さえ付けて開門の確定判決を放棄させようとしている。開門を含めて協議するのが問題解決につながるのに、裁判所がアンフェアな立場に立っている」と批判した。

 国が提案する漁業振興の100億円の基金案に対し、「有明海再生事業を10年以上続けても根本的な解決につながらず、事業の延長でしかない基金案の先に再生は見通せない」との考えを示した。開門阻止派の干拓地の営農者から開門を求める動きが出ていることも報告し、「(開門派に)厳しい状況を覆すのは世論の力。漁業と農業を救うために原点に立ち返って頑張りたい」と強調した。

 集会は環境団体の関係者らでつくる実行委員会が毎年開催していて、大島弘三実行委員長は「干拓地の営農者と漁業者は裁判では敵と味方の扱いをされているが、争う必要はない。支え合いながら次の世代のために未来を切り開きたい」と呼び掛けた。

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