人と動物の関係性-。被災地で活動するセラピー犬の話題が昨日、本紙にあったが、元東大教授林良博さんは、動物が人に与える癒やしの力を研究してきたアニマルセラピーの第一人者◆林さんが書いた教科書や本には、人と動物のエピソードがいっぱい。例えば、長年寝たきりだったおじいちゃんのベッドにハムスターを放したら、チョロチョロ動くハムスターに触ろうとした手が動くようになった話などなど◆林さんが特に重きを置いているのが人と馬との関係。古代ギリシャ時代から乗馬にはリハビリ効果があるとされ、20世紀初頭、英国では心因治療に乗馬が取り入れられた。そんな林さんの研究を学校現場で実践してきた唐津市の吉田孚(まこと)さんから手紙が届いた◆現役時代は「ポニーのいる学校」として知られた唐津市立大良小でポニーと寝起きしながら、思いやりの心や命の尊さを説いてきた。退職後も地域でポニースクールの運営に情熱を傾けたが、75歳になり引退するという◆「28年間に及ぶ馬を活用した教育。可能性は大、林先生の提案は的を射ています」と吉田さん。その実践に触れた子どもたちは延べ3万人以上。目には見えない豊かな情操が体中に染み込んでいるに違いない。そして、被災地のセラピー活動でも分かるように、吉田さんの遺産は確実に受け継がれている。(賢)

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