赤ちゃんの抱き癖を心配するより、抱っこで泣きやむのであれば、どんどん抱っこするように言われています。抱っこで赤ちゃんの心が安定し、社会とのつながりを実感できること、また抱っこのし過ぎなどはなく、抱っこの期間は短いというのが理由です。そのため、母親は赤ちゃんが少しでも泣けば抱っこします。泣き続ける赤ちゃんをなだめるために一晩中抱っこしている人もいます。抱っこのし過ぎで肩こり、腰痛、頭痛、腱鞘炎を起こしているのに、我慢して育児を続けている人もいます。抱っこできなくなった自分を母親失格だと責めている人もいます。赤ちゃんの健やかな成長は誰もが願うことですが、母親が体を壊すまで抱っこする必要があるのでしょうか。

 「抱っこ」とは、抱くこと、抱かれることを示す幼児語です。抱っこに似た表現としては、人や物をからだで包む、抱き上げ、抱きかかえがあります。また、愛情表現を示すものとして、抱き寄せる、抱きいれる、抱え込む、抱きしめるなどがあります。赤ちゃんの世話では抱き上げ、抱きかかえが必要かもしれませんが、心の安定には抱擁(ハグ)などで十分です。抱っこで体を痛めている人は、抱き上げ、抱きかかえの割合が多いようです。抱き癖を気にする必要はありませんが赤ちゃんが小さいときから「からだで包む」と「愛情表現」の二つの抱っこを使い分けることが必要です。

 その他、注意すべきこととして、赤ちゃんの成長・発達に応じて抱っこの仕方が変わります。また、赤ちゃんと母親の体格によっても楽な抱っこは異なります。佐賀大学の母性看護・助産学領域では、下記のホームページで抱っこの仕方のリーフレット等を紹介しています。母親が抱っこを楽しむお手伝いができることを願っています。

 http://www.midwifery.med.saga-u.ac.jp/coral-tenosynovitis/13.html

(佐賀大学教育研究院医学域医学系=母性看護・助産学領域=教授 佐藤珠美)

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