横断幕の前で、唐津曳山取締会の大塚康泰総取締(中央)の音頭で万歳三唱する唐津市職員ら=唐津市役所正面玄関

記者会見で喜びを語る唐津曳山取締会の大塚康泰総取締(左)と坂井俊之市長=唐津市役所

 唐津神社の秋祭り「唐津くんちの曳山(ひきやま)行事」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産登録決定を受け、1日、地元唐津市は喜びの声に沸いた。唐津曳山取締会の大塚康泰(やすひろ)総取締(72)は「長い間の伝統の継承できょうの喜ばしい日を迎えられた。市民と一緒にお祝いしたい」と満面の笑みで語った。

 午前9時に市役所正面玄関に祝福の横断幕が掲げられ、唐津曳山取締会関係者と市職員ら約30人が万歳三唱で歓声を上げた。14台の曳山(やま)が格納された曳山展示場では、登録記念の缶バッジ(14種類)が2千個ほど用意され、入場者に配布する記念イベントも始まった。

 18府県33件の祭りで構成する「山・鉾(ほこ)・屋台行事」の一つとしての登録。記者会見した大塚総取締は「手前みそだが、唐津ほど素晴らしいものはない」とにっこり。ともに“世界の宝”となった祭りにも担い手減の課題を抱える地域が多い中で、「幸いにも唐津は幼児から曳山になじみ、後世の人材確保は心配していない」と胸を張った。

 一方で「ほかの山・鉾・屋台はゆっくり歩いて静かにが基本だが、唐津は荒々しい面もある」とした上で「それをずっと続けるための施策を講じなければならない」と課題も挙げた。曳山は約200~140年前の制作と古く、年を重ねるごとに修理や補修も増えている。今後は技術者の確保がより大事になっていく。

 ユネスコが「日田祇園の曳山行事」(大分)を事例に評価した資材調達のための計画的な植林も、唐津では取締会が今年7月から委員会を立ち上げて検討し始めている。

 坂井俊之市長は「曳山の巡行は変わらないが、世界各地から今まで以上にお客さんが来られると思う」と登録後の変化を予測。「曳山行事を通して唐津を知っていただければ」と期待を膨らませた。

このエントリーをはてなブックマークに追加