公開中の映画「ペンタゴン・ペーパーズ・最高機密文書」はニクソン政権下の1971年、全米を揺るがした実話に基づいた巨匠スピルバーグ監督の最新作◆泥沼化するベトナム戦争を背景に、米政府の政策決定の経緯をまとめた報告書。7千ページにも及ぶこの文書を巡って繰り広げられた時の政権とメディアの攻防。結果として政権を追い込んだこの文書は、ニューヨーク・タイムズのスクープから40年後の2011年6月、機密指定が解除され、誰もが閲覧できる◆映画は「報道の自由」がテーマとなっているが、こうも考えた。国家のありようを担う政治家や官僚は、どんな場面でも歴史の審判に耐えられるかどうかを胸に仕事をすべし。同時に、自分の仕事が時代に必要なものか-常に反復しながら職務にあたるべし。公文書はその証明書なのだ◆果たして今、日本の政治家や官僚はどうか。森友・加計(かけ)問題で追及されている安倍首相は「私は一切関与していない」と、ひとごとのように多弁を弄ろうし、権力に媚こび、正邪の感覚を失った官僚は、公文書改ざんなど平気なようだ。防衛省の日報問題しかり、仕事のいい加減さは目を覆うばかりである◆政治家のおごりと官僚の劣化。この国の行く末を暗示するような兆候ばかりが噴出しているが、国民が選択と監視の目を磨くしかない。(賢)

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