(右から届け出順)神埼市長選挙・松本茂幸氏、大仁田厚氏

 8日に告示された神埼市長選は、現職と新人の2氏が論戦を繰り広げている。どのような思いで選挙に臨んでいるのか。候補者の横顔を紹介する。=上から届け出順

畑仕事生涯チャレンジ 松本茂幸氏(67)

 神埼市で2月、自衛隊ヘリが墜落する事故が発生した直後、寝る間を惜しむように現地に足を運んだ。地域の人たちの境遇や心情をくみ取ろうと努めたのは、自らも赴いた熊本地震の被災地で学んだ教訓。事故の被害者家族に寄り添ううち、自然と涙がこぼれ出た。

 「市が一つにまとまるように真面目にやってきた」と振り返る3期12年の市政運営。距離を感じさせないオープンな執務を心がけている。市長室は「いつでも、誰でも入れるように」と扉は開けっ放しだ。

 実家は農家で、4人きょうだいの次男。「男は働け。真面目にしろ。後ろ指を指されることをするな」。父親のそんな言葉を聞いて育った。その父親の勧めで受験した旧神埼町役場に採用され、企画、商工観光畑を歩んできた。市民の相談を受ける部署に配属されると、「相談を受けるからには法律を知らなきゃ」。東洋大通信教育部で学んだ。

 妻と2人暮らしで、趣味は畑仕事。大根や白菜、キャベツなどさまざまな野菜を育てている。数年前には桑を植え、茶も作るようになった。「いくつになっても挑戦」。公私ともに、チャレンジ精神を持ち続けている。神埼町本堀。

涙もろい元プロレスラー 大仁田厚氏(60)

 目の前に広がる田園風景に心を奪われた。昨年10月、衆院選で原口一博氏の応援に駆け付け、神埼市内を回った。「この風景を守りたい」。思いが高まり、稲穂に向かって叫んだ。この時、市長選への立候補を決心していた。

 15歳でプロレス界に入り、30代で団体を旗揚げした。有名団体のようにテレビ中継されない中、名を売ろうと頻繁にバラエティー番組に出演した。「プロデュース能力を見てほしい」。過激な仕掛けは、団体の生き残り策だった。

 43歳で参院議員に初当選、47歳で明治大学を卒業…。通算7回の引退は、リングの外に活動の場を求めた結果でもあった。

 今年1月から神埼市で暮らす。「よそ者」を長所と考え、真っさらな視点で神埼を捉え直す。神埼そうめん、イチゴ、アスパラガス。特産品が全国に知られていない現状をもったいないと感じる。「神埼のトップセールスマン」になろうと、ふるさと納税による増収を訴える。

 「母は、神埼で多くの人に助けてもらった。今度は自分が恩返ししたい」。現役時代は「涙のカリスマ」と呼ばれた。演説でも、時に涙ぐむ。神埼町横武。

 

 

このエントリーをはてなブックマークに追加