西松浦郡有田町長選で初当選が確実になり、支援者と握手を交わす松尾佳昭さん(手前)=8日午後9時29分、有田町外尾の事務所

 2期目を目指した現職の山口隆敏氏(69)が、新人で前町議の松尾佳昭氏(44)に402票差で敗れた西松浦郡有田町長選。任期の半ばで迎えた有田焼創業400年の事業を巡る采配が、町民に戸惑いを与えたまま、支持にも影響を及ぼしたという見方がある。

 山口氏は前回の町長選で初当選後、町が2年がかりでまとめてきた事業の全面見直しを表明した。節目の2016年を1年半後に控える中での方針転換だった。「一過性のイベントにしない」と強調したが、新たな計画の具体像がなかなか見えなかったことが困惑に拍車を掛けた。「有田をPRする好機を逃した」。窯業界などからのそんな批判がくすぶる格好になった。

 組織に頼らない姿勢を貫き、決起集会も開かなかった選挙。県議や商工会議所会頭を務めた知名度も十分に生かせず、前回の得票から1千票近く減らした。

 2月に出馬表明した松尾氏は出遅れを取り戻すため、若さを前面に打ち出して精力的に動き、現町政への批判票を集めたといえる。ただ、現職が集めた5千を超える得票は、新人のかじ取りに不安を覚えた側面もあるのだろう。手腕はこれから試される。

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