国営諫早湾干拓事業(長崎県)の開門問題の訴訟を巡り、開門を求める漁業者側の弁護団は9日、和解協議で開門による和解案を議論の対象に加えるよう求める意見書を福岡高裁に提出した。高裁が開門しない前提の和解勧告の方針を変更していないことから、10日の和解協議に出席しない意向も明らかにした。

 弁護団は、国が4日に提出した和解勧告への回答書で、佐賀県有明海漁協が国の漁業振興の基金案を受け入れたと主張していることを明らかにし、意見書で「漁協が出した文書は開門調査を求め続けてきた切実な思いがにじみ出ている。開門を諦めておらず、基金案の受け入れは事実に基づかない」と反論した。

 馬奈木昭雄弁護団長は福岡市で開いた会見で「和解協議は裁判所が阻止している。国と一体化して開門の確定判決を投げ捨てていいと言うのはおかしい」と非難した。佐賀など有明海沿岸3県の漁業団体が和解協議の継続を要請する意向を示したのに対し、「基金案が有明海再生につながるのなら和解協議に関係なく実現するべき。協議との引き換え条件を付ける国がおかしい」との見解を示した。

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