西松浦郡有田町長選で初当選が確実になり、支援者と握手を交わす松尾佳昭さん(手前)=8日午後9時29分、有田町外尾の事務所(撮影・山田宏一郎)

落選が確実となり、悔しさをにじませた山口隆敏さん(中央)=8日午後9時56分、西松浦郡有田町南原の事務所

 有田焼創業400年を終えた町の活性化は、新人の若さや行動力に託された。西松浦郡有田町長選は8日、「新しい風を」と訴えた松尾佳昭氏(44)が現職に競り勝った。支持者の歓喜の渦に包まれながら、地域のかじ取り役としての重責をかみしめていた。

 8日午後9時25分、有田町南原の事務所。ケーブルテレビの中継が初当選を伝えると「よし、勝った」と、詰め掛けた支持者約80人が喜びを爆発させた。妻のユミさん(44)とともに事務所に姿を現した松尾さんは「有田を元気で明るい笑顔のある町に変えていく」。選挙戦で日に焼けた顔をほころばせ、同級生らとがっちりと抱き合った。

 町議3期12年の経験があるとはいえ、知名度は現職に及ばないと実感していた。「若さと情熱」を武器に、町内を二巡、三巡して補った。

 基幹産業の窯業や農業の振興、町並みを生かした観光浮揚…。課題は山積している。松尾さんは「まずは雇用の場の確保。南部工業団地への企業誘致や、窯業と農業で稼げる仕組みづくりを確立したい。オール有田で取り組む」と、力強く抱負を述べた。

 続投への理解を集められなかった現職の山口隆敏さん(69)は、午後9時半すぎ、事務所で支持者を前に「4年間さまざまな取り組みをしてきたが、主張を十分に伝えられなかった」と頭を下げた。

 組織選挙をせず、「しがらみのない政治」を掲げて同級生や友人、知人らと草の根選挙に徹したものの、支持の広がりを欠いた。

 落選した前回と同様に行財政改革を主張し、敗れた栗原繁さん(66)は自宅兼店舗で「訴えを届けられなかった。町の改革は難しい」と話した。

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