Q 私は会社を経営していますが、今年で70歳になります。私には長男、二男と、再婚相手との間にやや歳の離れた三男がおり、いずれも私の会社で働いています。私は三男に最も見どころがあると考えており、できれば会社は三男に継がせたいと思っています。なので、会社の株式は全て三男に相続させる遺言をしたいのですが、年長で母親も違う長男二男が反発しないか心配です。そもそも、遺言を作っておけば、私の死後本当に遺言のとおりになるものなのでしょうか?

 A せっかく遺言をしても、遺言者の死後、それが握りつぶされてしまったり、相続人同士がもめて名義変更などの手続きが進まなかったりすると意味がありませんね。そこで、弁護士等の第三者を遺言執行者に指定するという方法があります。

 遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために必要な手続きを行う人のことです。遺言執行者は必ず定めなければならないわけではありませんが、定めない場合は基本的に相続に関する手続きは相続人全員で行うことになるため、特に相続人に紛争がある場合には円滑にことが進まないケースもあります。

 他方、遺言執行者は未成年者や破産者でなければ相続人でも就任は可能ですが、財産目録を作成して相続人に交付するなどそれなりの業務負担もありますので、弁護士などの専門家が就任する方が望ましい場合もあるのです。

 もちろん、遺言執行者だけでなく、遺言の内容自体をしっかりしておくなど紛争を未然に防ぐ方法はさまざまあり得ますので、遺言の内容も含めてお近くの弁護士にご相談ください。例えば、設例のように事業承継が絡む場合には、後継者争いを防ぐため、事前に長男二男の理解を得ておくことや遺言作成の際に長男二男の遺留分に目配りをすることなども必要かもしれません。

 (弁護士 吉村真一 佐賀市)

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