「百聞は一見にしかず」とは、このことだろう。玄海原発3号機の2次系配管で蒸気漏れが発生した問題である。紙面に載った写真では、黒いさびや、1センチほどの穴が開いているのがはっきり分かる◆「空気抜き管」と呼ばれるそうだが、いくら配管1本とはいえ、原発という高度に管理されているはずの施設の姿なのか。しかも雨水の浸入で腐食したという◆「ささいなことだ」と考える人がいたら、大変だ。ささいなことが見落とされてきたのなら、もっと大きなのは大丈夫なのかと考えるのが普通の感覚。再稼働前に、これ以上ないほど点検してきたのではなかったか◆思えば、東日本大震災から7年。福島第1原発事故の影響もあり、今も7万3千人が避難生活を送る。佐賀新聞社が昨秋行った県民世論調査では、玄海原発の再稼働には49%が反対と答えている。離島を抱えて避難計画の実効性など課題は残されたままだ◆実は、「穴」はほかにもあった。川内原発1号機(鹿児島)。1本の燃料棒から放射性物質が漏れていた。こちらも微小な穴が開いていたという。九電のホームページに載っている。専門用語が多く分かりにくいところもあるが、点検に穴はないか私たちも目を凝らしたい。「蟻(あり)の穴から堤も崩れる」。天下の大事もささいな欠陥がもとで起こるという戒めである。(丸)

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