諫早湾干拓事業に関する訴訟について報道陣の質問に答える福岡有明海漁連の西田晴征会長(左)、佐賀県有明海漁協の徳永重昭組合長(中央)、熊本県漁連の上田浩次会長=佐賀市の県有明海漁協本所

 国営諫早湾干拓事業(長崎県)の開門問題の訴訟を巡って有明海沿岸の佐賀、福岡、熊本3県の漁業団体のトップが7日、佐賀市内で会談し、開門しない前提での和解協議を継続するよう開門派の漁業者側弁護団に要請することを決めた。弁護団は国の100億円の基金案で問題解決を図る方向性を示した福岡高裁の和解勧告をすでに拒否しているが、決裂を避けるために漁業団体側から改めて働きかける。

 県有明海漁協の徳永重昭組合長、福岡有明海漁連の西田晴征会長、熊本県漁連の上田浩次会長が非公開で約1時間協議した。会談後、徳永組合長が「和解に向けて進めてほしいことを3県で確認した」と説明。西田会長は「基金案を通じて早く有明海再生を目指したい」と述べ、上田会長は「開門も基金もできないという最悪の事態は避けたい。何もなくなるのが一番困る」と強調した。要請は和解協議が行われる10日以降、文書で行う方針。

 県有明海漁協がすでに表明した和解協議継続を求める文書では、開門調査の必要性も明示している。徳永組合長は「開門できるならそれが一番いい。福岡も熊本も必要と常に言っている」と指摘。一方で、西田会長は、文書は曖昧に受け取られる部分もあるとして「(要請書では)はっきりさせる」と述べ、和解協議継続と開門調査の必要性を併記する佐賀側の文書の内容を踏襲しない考えを示すなど、各県の考えに温度差も見られた。

 弁護団は福岡高裁に開門しない前提となっている和解協議を取り消すよう求め、10日の協議にも出席しない意向を示す。国は和解勧告を受け入れる回答書を提出している。協議は5月にも2回予定されていて、決裂した場合は7月30日に判決が言い渡される。

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