「生活に負担がかからないように、返さなくていい奨学金にしました」と話す江上幸隆さん=鳥栖市のニシキ本社

 「佐賀は昔から教育県。うちの会社でも子どもたちを応援したいと思いました」。プラスチック製品の製造からリサイクルまでを手がけるニシキ(本社・鳥栖市)の創業者で会長の江上幸隆さん(81)は、佐賀県内の高校生向けに返済不要の奨学金を創設した理由を、そう語る。

 先鞭をつけて自分が始めたなら、志ある県内企業が後に続いてくれるのでは、との思いも強い。「中小企業のうちができたんですよ。将来的には県内各地で、10社から20社くらいが奨学金制度を設けてもらえたら、ありがたいですねえ」。

 久留米市出身。33歳の時、父が経営する鳥栖市の縫製会社の再建に取り組むことに。覚悟を決めて工場の宿直室に妻と子ども3人で住み込み、脇目も振らずに働いた。そんな暮らしが5年ほど続き、今では社員250人を抱えるまでに。

 年齢を重ねるにつれて「会社がここまで大きくなれたのは周囲に支えられたおかげ」と感謝の気持ちが強くなったと振り返る。

 妻正子さんの後押しも得て、1月に江上財団を設立して理事長に。夫婦で保有する同社株式の配当金(年間約1200万円)を奨学金(月額2万円)に充てる。募集は5月末日まで。「奨学金を受けた生徒の中から経営者が出て、佐賀に恩返しをしてもらえたら最高ですね」

このエントリーをはてなブックマークに追加