方言は、その土地の自然や風土とともに生きる人々の中に生まれ、土着した言葉である。だから、他の者が面白がって使ってはいけないし、それは限られた地域で生き続けてきた言葉の業と言ってもいい◆原発事故にともなう避難指示が大部分で解除された福島県飯舘村で、7年ぶりに村内三つの小学校と一つの中学校が統合された新しい学びやが開校。その開校式の様子を伝える地元紙「福島民報」で見当もつかない言葉に出合った◆村の教育長の「皆さんの光が、までいの空一面に輝くような教育を目指します」。小学生6人が議員として参加した「飯舘みらい議会」報告の中にも、ボランティア活動に触れた児童議員の「世界中の人に、までいな心でおもてなしをしたい」という決意があった◆「までい」とは、一般には「ていねいに」「心を込めて」ということらしいが、震災被害で土地も人も散り散りになった飯舘村では今、過酷な試練を経験した者だからこそ通じ合う復興・再生の誓いの言葉として大切に、大切に使っているそうだ◆開校の喜びを語った生徒代表の熱いスピーチは「被災者のレッテルを自らの力ではがし、今度は自分たちが困っている人に手を差し伸べたい。までいの力を信じて」。飯舘村の方言の力強さ、その思いが日本中で共有される日が早く訪れんことを…。(賢)

このエントリーをはてなブックマークに追加