国営諫早湾干拓事業(長崎県)の開門問題を巡る訴訟の和解協議で、国は4日、開門しないことを前提に100億円の漁業振興の基金案によって問題解決を図る方針を示した福岡高裁の和解勧告を受け入れる回答書を提出した。開門を求める漁業者側は既に勧告を拒否する回答をしており、和解協議は決裂する見通しになっている。

 高裁が3月5日に出した和解勧告は、全面的に国の主張に沿っていた。基金の運営団体に想定されている佐賀県有明海漁協と佐賀県は、2016~17年の長崎地裁の和解協議では基金案の受け入れを拒否していたが、今回の勧告後に開門しない前提での基金案による和解協議を容認することをそれぞれ表明している。

 国側は回答の詳細を明らかにしていない。福岡高裁は次回の和解協議を10日に指定している。漁業者側の弁護団は回答で、和解協議で開門を含めて議論するよう訴え、開門しない前提だけの場合は協議を取り消すよう求めている。訴訟は既に結審し、決裂した場合は7月30日に判決が言い渡される。

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