3月は変化の多い月であった。いくつか項目を挙げて記したい。

 【原発関連】

 7年前の東日本大震災および福島原発事故から始まり、玄海原発再稼働に至るまでの記事は多かった。「教訓は生かされているか」「原発と暮らすということ」などの連載と、玄海原発再稼働までの記事が同一紙面に並べて掲載されていて読み応えがあった。しかし、2015年度版「日本国内の発電量」の円グラフを連載の中に載せてほしかった。それによると、原子力による発電は全体でわずか1%程度であることが分かる。バイオマスはその約2倍、太陽光は3倍以上である。原発に頼らず再生可能のエネルギーで代替できる割合である。玄海町がエネルギーの町というなら、再生可能のエネルギー開発に取り組んでこそではないか。

 【長崎新幹線フリーゲージ断念】

 選択肢は、フルかミニのどちらかになった。紙面からはフル規格の方がとのニュアンスを受ける。山口祥義知事はフル規格になると1千億円以上になる県民の負担について「のみこむことはあり得ない」(31日付)と明言、記者による「解説」とともに記憶しておきたい。

 【肥前さが幕末維新博覧会】

 温故知新をテーマにさが維新博が開幕、郷土の偉人先人たちに学び、新しい佐賀の未来をつくっていこうというイベントである。佐賀再興の元気がもらえそうだ。「美・技のSAGA」の紹介記事に目を通した。展示作品の多くは県立博物館・美術館収蔵作品のようだ。それらの鑑賞が温故なら「新」は?。「新」とは現在、佐賀の風土によって立ち、新たな作風で表現している作家たちの作品のことではないか。これを含め、佐賀の美術文化の温故知新となるであろう。近々、維新博同様、佐賀県そして県下のメディアが一体となり、この「新」の部分の展観があることを期待したい。

 【有田の「20世紀遺産」選定】

 有田の町並みが20世紀遺産20選に選ばれ、喜ばしい。遠来の友人を佐賀らしい所に案内する際、必ず連れていく所の一つである。私も作品のイメージづくりに福山の鞆の浦、愛媛県の内子町、丹後の与謝野町(ちりめん街道)など古い町に行ったが、有田はそれらの古い町に劣らず大切に残したい町並みである。選定を理由に手を入れ過ぎたり、保存や遺産ゆえ規制が厳しく釘(くぎ)1本打てず結局、住人にとって住みづらくなってもいけない。指定範囲外に連なる部分も大切にしてほしい。有田は町並みだけでなく、山や川、丘や坂など地形にも風情がある。きれいな風景から美は生まれる。有田の町並みの良さを写真入りで度々発信してほしい。記者の美を見抜く眼(め)に期待している。

 【いまドキッ 熱中若人】

 かなり以前、酒を評論するグラフ雑誌で「能古見」を知った。たぶん和食に合う日本酒ランキングの1位か2位で、「味がきれい」と評されていた。初めて見た評価のためか、以来ハマってしまった。その味を引き継ぎたいと、醸造を学ぶ後継ぎがいるのは頼もしい。地元紙としてはこのような若者を応援し続けてほしい。 

 【岩永京吉美術館】

 故岩永京吉先生と弟子の荒木さんとの二人展が開催されている。この美術館には先生の作品が約230点収蔵されている。聞くところ、先生の娘婿の石川氏がアトリエの整理のため作品を見ていたら、「残すべき作品」と強く思われ、美術館にされたそうだ。一方、現存の画家たちの現状として近年、特に中央で発表する作品は200号をはじめ大作になっている。そしてアトリエの中にたまっている。画家の死後、作品が散逸したり、ただの粗大ごみにならないよう地元新聞として公共の空き施設や廃校舎などへの作品収蔵を県や市町に提言していただきたい。=3月分(きたじま・はるき、佐賀市)

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