簡単なデザインのワンピースなら型紙も取らず1時間で仕立ててしまうという麻見裕子さん。確かな技術とアイデアで古い着物や帯をすてきなドレスやバッグに大変身させます。

 黒繻子(くろじゅす)の帯の裏表を生かしたイブニングドレスはシックな仕上がりに。野良着を丹前(たんぜん)に作り変えた古い雪ん子絣(かすり)と大島紬(つむぎ)をはぎ合わせて、襟やポケットにあしらったチュニックは古布好きにはたまらない逸品です。丈夫で使えば使うほど風合い良く柔らかくなる絣の丹前は、骨董屋さんでも高値で売られているそうです。麻見さんの一番のお気に入りは、50年前のお母さんの形見の着物から作ったジャケットとビーズなどをあしらったバッグです。

 杉野女子大(現在の杉野服飾大短期大学部)を卒業し佐賀に戻り、結婚を機に再び上京。働いていた洋装店でデザイナーに教えてもらった仕立てのこつが役に立っているそうです。転勤で再び佐賀に戻り、手作りの子ども服や小物の店「アートハウスピピ」を始めたのは30年以上前。古い着物をなんとかできないかという要望に着物リフォームを始めたのもこの頃です。

 加えて既成の子ども服販売も手掛け、サイズが合わないお子さんに生地やパーツを取り寄せ、そっくりに作ってあげて喜ばれたそうです。そうしたことが評判を呼び、子ども服の縫製工場をやらないかと誘われ現在地(佐賀市新栄西)に移転して25年になります。

 東京ではなく佐賀でやるから意味があると、縫製の伝道師として教室も開いています。30年来のママ友数人と、着物リフォームに補正や仕立てと布と格闘する楽しい毎日です。(地域リポーター・川原理子=佐賀市)

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