開店した当時のアンテナフードショップ「牛の尾」。小城市の特産品を集めていた=2016年12月、福岡市中央区

 佐賀県小城市のふるさと納税の返礼品を集めた福岡市中央区内のアンテナフードショップ「牛の尾」が3月末で閉店した。都市圏の住民に特産品を味わってもらい、寄付額の増加につなげようと、小城市観光協会が2016年12月、現地の広告代理店に運営を委託する形で設置したが、翌年5月以降は「寄付ゼロ」の状態が続いていた。観光PRの拠点は契約満了を期に、約1年3カ月で幕を閉じることになり、見通しの甘さを指摘する関係者もいる。

 アンテナフードショップは、文書偽造や公金不正流用などの不祥事で、小城市を昨年退職した前商工観光課長の男性(55)が観光協会の事務局長を務めていたころに設置を推進した。店舗には返礼品の小城羊羹や有明海産のりなど地元産品を並べ、ふるさと納税の手続き方法を案内していた。レストランも併設し、小城産米や佐賀牛を食材に「ローストビーフ丼」など高級感のあるメニューをそろえていた。

 小城市のふるさと納税を扱う総合戦略課によると「開設後にアンテナショップを通じて6件で約20万円の寄付があったが、2017年5月以降は皆無の状態だった」と説明する。

 観光協会の関係者によると、テナント料や人件費などを合わせて毎月100万円近くを広告代理店に支払っていたという。関係者は「前課長が設置を進めた当初から見通しの甘さがあった」と振り返り、「撤退はやむを得ない」と受け止めている。

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