放送大学大学院博士後期課程を修了し、博士号を取得した古川美樹さん=有田中部小

学位授与式で來生新学長から学位記を授与される古川さん=東京・NHKホール(古川さん提供)

古川さんが研究した「記憶の再生マップ」の一例(博士論文から)

 有田中部小教諭の古川美樹(よしき)さん(59)=武雄市山内町=が、放送大学大学院の博士後期課程を修了し、「学術」の博士号を取得した。博士論文は「小学校理科教育における指導方略の研究」。児童が興味を持って学び、知識を概念化して記憶する教育法を論じた。古川さんは「これからがスタート。研究を教育現場で生かしていきたい」と意欲を語った。

 古川さんは佐賀大理学部を卒業後、県内の小中学校教諭や佐賀大非常勤講師を務めている。教壇に立つ中で、言葉を正しく伝え、児童が自ら知識を整理できる教育法の必要性を痛感し、2011年にテレビやインターネットを使って学ぶ放送大学大学院の前期課程に進学。15年からは後期課程で学んだ。

 論文では、児童が授業の後に覚えていることを関連づけて書き込み、教科書やノートを使って修正や追加する「記憶の再生マップ」を使った授業の進め方を研究。マップを使うことで、子どもたちがより正確に物事を捉えるとともに、学んだことを自分の言葉で説明できるようになった実践例を紹介した。

 同大学院の後期課程は14年10月にスタートし、古川さんは全国2人目の修了生となった。仕事をしながら学ぶため、勤務後の午後9時頃に就寝。午前2時までに起きてデータのまとめなどを続けた。論文は昨年7月の予備審査を通り、年末に本論文を提出。今年1月に千葉県の放送大学本校で口頭試問があった。本論文提出前は、週末ごとにホテルに泊まり込み、集中して執筆したという。

 3月24日に東京のNHKホールであった修了式で、総代として学位記を受けた古川さんは「自分の生活スタイルに合わせ、学ぶことができた」と学生と教員の二足のわらじを履いた3年間を振り返った。「学んだことが理解できたときの子どもの笑顔が励みになる。子どもたちが自分で学ぶ力をつけることを手伝いたい」とこれからも実践と研究を続ける。

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