テープカットで開場を祝う山口祥義知事(左から3人目)ら=佐賀市

 近代日本を代表する洋画家・岡田三郎助(1869~1939年、佐賀市出身)が生前に使用し、東京から佐賀市の県立博物館東隣に移築されたアトリエが1日、公開された。巨匠の息遣いを伝える創作の現場で、来場者はその生涯や作品に思いをはせた。

 県内の文化関係者ら約100人が出席した開場式で、山口祥義知事は「素晴らしい絵が生まれるまでには、人の思いや営みがある。そこに焦点を当てた」と述べ、建築当時の部材の大部分をそのまま使った移築の意義を強調した。清和高吹奏楽部の演奏とテープカットでオープンに花を添えた。

 アトリエは1908(明治41)年に建設された洋風の木造建築。当時のいすやストーブがそのまま置かれ、学芸員が「床が白くなっている部分は、岡田先生がよく歩いた場所です」と紹介すると、来場者から感嘆の声が漏れた。

 岡田の没後にアトリエを譲り受けた洋画家辻永(ひさし)の三男で、アトリエを寄贈したドイツ文学者の辻瑆(ひかる)さん(95)は「細かいところまで心を込めて作業をしてくれた。岡田先生も喜んでいるに違いない」と感慨深げだった。

 入場無料。公開時間は午前9時半~午後6時(博物館休館日は休み)。

このエントリーをはてなブックマークに追加