干拓地の農業が深刻な状況に直面していることを訴えるマツオファームの松尾公春社長(左)=長崎県諫早市

 国営諫早湾干拓事業を巡り、長崎県の干拓営農者が31日、堤防排水門の開門を求める集会を同干拓地内で開いた。佐賀など4県の漁業者らや市民団体など約70人が参加し、「国は農家も漁業者も守っていない」と批判し、共闘へ気勢を上げた。

 干拓地の営農法人「マツオファーム」の松尾公春社長は、農地が海水に接する沿岸部に比べて冬は異常に気温が下がると指摘し、「調整池が農業を邪魔している。農業も漁業も成り立つ道を考えていかないといけない」と強調した。農地は水はけが悪く、カモの食害が発生する窮状なども訴えた。

 干拓地で本格的な営農が始まり4月で10年を迎える。開門訴訟の原告漁業者、平方宣清さん(65)=藤津郡太良町=は「『営農者のために開門しない』と言ってきた国の言い分はでたらめだった」と憤った。

 松尾さんら営農法人2社は農地貸主の公社などに損害賠償や開門を求める訴訟を長崎地裁に起こしている。開門を求める漁業者側弁護団と連携する方針を示している。

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