卯月(うづき)、夏初月(なつはづき)、木葉採月(このはとりづき)、清和月(せいわづき)…。四月の異称はいくつもあるが、きょう「4月1日」を「わたぬき」とも読む。待望の春到来で、綿入り衣から綿を抜いて袷(あわせ)に着替える日として日本人の粋が呼ばせた名であろう◆一方、古代中国では、春の色を「青」とした。「木・火・土・金・水」という万物を構成する五つの元素による自然観で、その中から四季の色をそれぞれ「春(木)=青」「夏(火)=赤」「秋(金)=白」「冬(水)=黒」とあてたのだ。詩人北原白秋という筆名は秋の「白」に由来する◆そうか、春は青か。萌(も)え出る木の葉を「青葉」というのも、元気な若者を「青年」といい、そのただ中にあるみずみずしい時代を「青春」というのも、なるほど納得だが、日本人にとって、春4月は1年の中でも特別な月のようである◆進学、就職、人事異動…。未知の世界への旅立ちとなるが、そこで、「よしっ!」という気持ちが大事だ。何事にもひるむことなく前へ歩こう。必ず喜びや感動がある◆さて、『有明抄』が小紙1面に登場したのは1950(昭和25)年6月1日。以来、何人もの筆者によって書き継がれているが、その「有明」の2文字は有明海のそれではなく、夜明けを意味する。読者と一緒に希望の「明け有る」を探す旅である。再登板にあたって…。(賢)

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