事実上のフリーゲージトレイン(FGT)導入断念を突きつけた国交省の検討結果。全線フル規格の費用対効果は「3.3」、ミニ新幹線は「3.1」と景気の良い数字が並ぶが、これまで苦渋の決断で長崎ルート計画と向き合ってきた佐賀県にとっては素直に受け止められるものではない。

 費用対効果は便益や収益をコストで割り、「1」を下回れば事業効果が低いとされる。国交省は今回、便益は長崎まで含めた地域全体の数値を使う一方、コストは新たに発生する新鳥栖-武雄温泉にかかる建設費を使った。つまり、武雄温泉-長崎でかかった約5千億円を除いている。

 佐賀県は元々時間短縮効果が少ない中、FGTで関西直通を実現する約束で計画に同意し、既に225億円を支出している。当時の費用対効果は関西直通が前提で「1.1」。計画を信じ負担してきた県民に、今回は「3」と言われても、簡単に追加で1千億円を支払うわけにはいくまい。

 フル規格は時間短縮やJR九州の収益改善の効果が最も大きいが、建設費は最大だ。ミニ新幹線はフル規格に比べ建設費は安いが、時間短縮効果が小さい。佐賀と長崎、JR九州の3者が全員「マル」を付けられる案は存在しない。与党が結論を出す7月末まで、残された時間は余りに短い。

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