31日で閉店する「だがし屋さん」=唐津市京町

子どもたちから「だがし屋のおばちゃん」と親しまれた井上玲子さん

 唐津市京町にある「だがし屋さん」が、31日に閉店する。商店街の再開発計画に伴い立ち退くためで、再開のめどは立っていない。店がなくなる前に最後の“寄り道”をしようと、多くの子どもたちが詰めかけている。

 

 店は1999年、同町の商店街に開店。一口サイズのガムやチョコレート、おもちゃの銃などを扱ってきた。長年、子どもたちの寄り道スポットとして親しまれ、夕方になると大量の自転車が店先に止まった。

 小学生の頃から通い始め、30代になっても通う客もいるという。開店から19年間、店番を務めてきた井上玲子さん(82)は「子どもたちにおばちゃんと呼んでもらえるのが、うれしくて。体がしんどくても、子どもたちと触れ合えば元気が出た。ここが大好き。本当は離れたくない」と胸の内を明かす。

 常連からも閉店を惜しむ声が聞かれる。近くに住む高校生の菅原太士さん(17)は、部活動の帰りによく立ち寄るという。「覚えてないくらい小さいときから来てる。たまにおまけしてくれたおばちゃんがいなくなるのはさみしい」

 きなこ棒60本を買い込み、店先のベンチで食べていたのは、小学生でいとこ同士の勝山宝仁君(11)、平井花さん(10)、岡風花さん(12)。「安くていろいろなお菓子があって好き。ずっと続いてほしい」。つまようじの先が赤く塗られた当たりが出ると、「もう一本ちょうだい」と交換した。

 店の経営者で、玲子さんの息子の井上誠二さん(56)は「店を畳むのは心苦しいが、支えてくれた子どもたちに感謝したい」と話した。最終日の31日、閉店セールを行う。

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