積み重なった木材を前に、輸出の可能性を話す杉山利則組合長=佐賀市富士町の小中径木加工場

 佐賀市の富士大和森林組合(杉山利則組合長)は、円柱に加工したスギを海外に輸出する検討を進めている。国内の木材需要が伸び悩む中、急速に開発が進む中国、東南アジアや中東にも目を向け、輸出業者とも交渉、1次加工した木材の海外需要を探っている。

 富士大和森林組合は、佐賀市富士町にある小中径木加工場で円柱加工材を製造している。加工材は、直径5~15センチの小径木と、直径18~30センチの中径木(長さはいずれも50センチ~4メートル)に分類され、丸みを帯びた幅広い大きさの木材が並ぶ。

 1989年ごろから円柱製造を始めた。公園などのあずまやの柱やロープ柵のくい、階段などに活用され、ピーク時の2006年~09年は年間約10万本を生産していた。市の公共事業での需要が多かったという。

 ただ大規模な都市開発が一段落し、公共予算の減少とともに需要も減っていった。17年はピーク時の半分以下となる年間約4万本まで落ち込んだ。円柱加工の売り上げも06年度は約1億5千万円まで伸びていたが、16年度は7500万円と半分にまで減った。

 角材や板と異なり、使用目的が限られている円柱加工は、県内ではほかに伊万里市の木材業者しか扱っていないという。円柱加工の希少価値を強みに、海外需要に目を向けた。

 複数の輸出業者を通じて中国やベトナムなどの業者とやりとりをし、中東のドバイなどへの輸出も視野に入れている。交渉は具体化はしていないが、伊万里市の伊万里港や福岡県の博多港からコンテナ船で運び、中径木を中心に約800本の輸出を想定。輸送期間は中国の主要都市まで1~2週間とみており、杉山組合長は「相手国との距離が近いため、木材にカビが生えにくいといったメリットもある。地道に交渉していきたい」と話す。

 組合が管轄する森林は富士町、大和町、金立地区を中心に約1万8千ヘクタール。このうち、8割程度をスギが占めている。

 杉山組合長は「スギの円柱加工は、特殊だから希少価値がある。アジア各国の生活水準も上がってきていて、より良い品質のものを使おうという動きもある」と分析。その上で「じっとしていれば、円柱加工の需要は減っていく。海外に活路を開きたい」と期待している。

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